Lesson

フィルムの歴史

前回はカメラの原理、カメラ・オブスキュラの話をしました。
穴を通して入ってきた光をトレースすると写実的な絵になるという話でした。

写真は光が無いと写りません。
これは今も昔も変わりません。

今回は、穴を通して入ってきた光をどうやって写し取るかです。
というかフィルムの歴史ですね。

世界で初めて写真を撮ったのは1826年、フランスのニエプスという人です。

道路工事でおなじみのアスファルトが光に当たると固くなるという性質を利用しました。
アスファルトに8時間光を当てて、固まらなかった部分を洗い流し画像を作り出しました。
これが世界で最初の写真です。

その後、ニエプスは銀に光が当たると黒くなる性質に目をつけました。
この銀を使うという方法は現在のフィルムにも使われています。

フランス人のダゲールという人と一緒に改良を進めるのですが、ニエプスは1833年に脳卒中で亡くなってしまいました。
跡を継いだダゲールは『ダゲレオタイプ』を完成させました。
銀でメッキをした銅版にヨウ素蒸気をあてた後、露光(光を当てること)します。
この時点では画像は見えません。
その後、水銀の蒸気を当て「現像」をすると画像が浮かび上がってくるです。

続いてタルボットが『カロタイプ』を発明しました。
紙に塩化銀を塗って感光紙を作り、それに露光することで「ネガ」を作り出します。
そのネガを使って、別の感光紙に焼き付けるという方法です。
この方法で同じ画像を何枚も作り出すことができるようになりました。
1844年にこの方法で世界初の写真集「自然の鉛筆(Pencil of Nature)」が出版されます。

1851年にイギリス人のアーチャーが『コロジオン湿版法』を発明しました。
カロタイプは紙を使っていたので画像が鮮明ではなかったのです。
そこでアーチャーは無色透明なガラス板を使うことを考えました。
ガラス板にコロジオンという化合物と硝酸銀溶液を塗る方法です。
この方法のメリットは露光の時間が数秒と短いこと。
デメリットは乾かないうちに撮影から現像までしないといけないので、外で撮影しようとすると暗室を持ち歩かないといけないことです。

1871年にイギリス人のマドックスはゼラチンに臭化銀を混ぜた乳剤を、ガラス板に塗る方法を発明しました。
この方法は乾燥しているので『湿版』に対して『乾版』と呼ばれています。
湿版は自分で用意しないといけませんでしたが、乾版は保存できるので、工場で大量生産できるようになりました。
これで野外での機動的な撮影ができるようになりました。
しかしながら、ガラス乾版は重く、割れてしまうというデメリットがありました。

1880年(明治13年)ニューヨークでジョージ・イーストマンが乾版を作り始めます。
ここからよく知られているコダックとフィルムの歴史が始まります。

1885年、ジョージ・イーストマン率いるEastman Dry Plate and Film Company(イーストマン乾板およびフィルム会社)が初の『フィルム』を発売します。
キャッチコピーは「まもなく、屋外でもスタジオ内の撮影でも経済性と利便性の点でガラス製乾板に取って代わる、新しい感光フイルムが発売されます」
このことにより映画が作られるようになりました。

1888年、『KODAK(コダック)』という名称を使い始めます。
『THE KODAK CAMERA(コダックカメラ)を発売。
キャッチコピーは「あなたはシャッターを押すだけ、あとは当社にお任せください」

1900年、コダックがBROWNIE Cameras(ブラウニーカメラ)を発売します。
このカメラは1ドルで売られ、一般の人でも手が届くようになりました。
この画面サイズが6×9だったので、日本では中判カメラをブローニーと言うようになったのです。
ちなみにこのブラウニーはイギリスの妖精のことで、コダックはこの妖精をキャラクターで使っていました。

1925年、ライカが35ミリの映画フィルムを元にした「ライカI(A)」を発売。
これによって36ミリ×24ミリというサイズ(普通のフィルムのことね)が主流になりました。

1935年、リバーサル(スライド、ポジとも言う)フィルムの『コダクローム』が「映画用」として発売されました。

1942年、コダックが世界初のカラーネガを発売。

日本ではリバーサルは1942年(昭和16年)小西六(現コニカミノルタ)が『さくら天然色フヰルム』、カラーネガは1953年(昭和28年)にオリエンタル写真工業(現サイバーグラフィックス社)が『オリエンタルカラーフィルム』を発売しました。

フィルムは銀塩(塩化銀)を使っているので、銀塩写真と言ったりしますね。

1975年(昭和50年)、コダックが世界で初めてデジタルカメラを発明しました。
画像サイズは100×100の10,000ピクセルというものでした。

1994年(平成6年)にカシオから『QV-10』発表された。
この制作エピソードがプロジェクトXで放送されたことで、世界初のデジカメと思っている人が多いんじゃないかな。

現在はフィルムからデジタルが主流になってますね。
これは乾板がフィルムになったように避けられない流れなのでしょう。

 

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